梅と言えば、菅原道真の歌を思い出しますね。
「東風吹かば 匂い起せよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
政敵に陥れられて、九州の太宰府に追いやられた菅原道真が、京を去るにあたり、自宅の庭の梅に惜別の情を託した歌であるらしい。また、流された太宰府に咲く梅の花を見て、京を偲んで歌ったものとも言われます。こちらの方が、なんとなくその時の道真公の心情にあうような気がします。
いずれにせよ、ほのかな香りを漂わせる清楚で可憐な梅の花を彷彿とさせます。これが桜の花であったらどうでしょうか?桜も、はかないもののたとえにもされますが、反面、満開の桜の下で、車座になってワイワイと楽しむ華やかなイメージがありますね。また、「梅の香」という言葉を聞くことはあっても、「桜の香」というのはあまり聞かないようです。やはり、九州に左遷された境遇を憶い、懐かしい京都に思いを馳せるのは、梅の花がふさわしいのかな?
自宅の梅の実は、「梅酒」か「梅干し」の材料にもなるようです。
2014-03-20