11月末のある日、その日は休診日でしたが、用事があり、診療室へ出かけました。診療室への階段を上がっていくと、入り口ドアの前にたたずみ、何となく中の様子をうかがっているようなご婦人が目に入りました。歩を緩めると、こちらを向いて会釈されましたので、会釈を返すと「東郷先生ですか?」と声をかけられました。「はい。」と答えると、「昔、娘がお世話になったんです。中山に用事があったので、懐かしくてついでに寄ってみました。」とのこと。お母さん曰く、その後、どうやら大きな問題もなく経過し、またムシ歯も全然ない、以前は、かなり口元を気にしていたようで笑顔が少なかったが、矯正してからは、笑顔もよくなり、写真の写りが全然ちがう、とのこと。治療後も、自分なりに、かなり歯を大切に管理しているようだ、とのお話には、ちょっとうれしくなりました。お名前を伺ったのですが、お顔を思い出せず失礼いたしました。20年以上前のこと、仕方ないですね、お許しを。
「娘も、もう40歳ですよ。結婚して、小学三年生になる孫の歯並びがちょっと心配。」
「私も、年をとりました。まだまだ頑張っていますが、最近は、大学の矯正科にいる息子が、時々手伝ってくれるんですよ。お孫さんの歯並びが心配でしたら、いつでもどうぞ。」
というような会話がありました。
昔の患者さん、あるいは保護者の方との再会は、怖くもありうれしくもありです。でも、今回は、うれしい再会でした。
2013-12-01