松本で再会した友人N君については、学生時代は、暇があると一人静かに本を読んでいる姿や、実習でも、いつも静かに顕微鏡をのぞき、また、ある時は、懸命に石膏模型と格闘していた姿を思い出します。私の実家のある町に彼の親戚がある、そして、たまに出かける時もある、とのことを聞いた私は、今度出かける時があったら実家へ寄ってくれ、そしてその時は、長野の地酒「白馬錦」を持ってきてくれ、と頼みました。学生時代、長野へスキーに行くと、夜な夜な皆で飲んだお酒です。義理堅い彼は、お正月を控えた冬休みに、実家でノンビリ過ごしていた私の前に、一升瓶を抱えて現れました。しかし、残念ながら、彼は、まったくの下戸なのです。それを「はい、これ。」と私に渡すと、サッと踵を返し去っていきました。今思えば、一升瓶目的の、ほんとに勝手な願いで迷惑をかけましたね。N君、ゴメン。
2012-09-07